今まで一番面白かった本教えて!


先日、WSJでフィクションを読むとソーシャルスキルがあがると言う記事がありました。
多くの文系の人が営業につき、否応なくソーシャルスキルは求められます。
もちろん、営業以外の部門でも要求され、評価に大きくつながることは間違いありません。

そこで、今回は一番面白かった(フィクションの)本を紹介します。

夜のピクニック/恩田睦


恩田陸の青春小説の傑作。高校の伝統行事でひたすら歩く。その行事の中での登場人物の悩みや葛藤が青臭く書かれていてそれが非常に爽やかに描かれる。夜通し歩くその際中に少しずつ成長していく様が面白い。青春小説が好きな人には特におすすめしたい。

横道世之介/吉田修一



映画にもなったこの作品。横道世之介という優しいイイ奴の大学生時代の日常を描きながら、数年後の登場人物が当時を懐かしむという作品。何気ない馬鹿な日常が中盤のある出来事をキッカケに、とても大事で貴重なものなんだって気づかせてくれる。それがただの青春小説にはない余韻を残す。中盤のその「キッカケ」に楽しく読んでいた心が揺さぶられ、作品の印象がガラリと変わる。今を大事にしたくなる、友達を大事にしたくなる作品。


阪急電車/有川浩



阪急電鉄を舞台にしたオムニバス形式の小説。ひと駅ごとにドラマがある。そのひとつひとつのドラマが連なって大きなひとつの物語を構成する。駅を変えるたびに主人公が変わり前後で少しずつ重なっている。また「往路」と「復路」で半年後の時間が過ぎており、前半見てきたドラマのその後が見れる。有川浩さん特有の分かりやすい文体でスラスラ読めるのでちょっと本を読みたい時におすすめ。1時間ぐらいで読めるんだけど「いい本読んだな」って思える1冊。少し心がきれいになった気がする作品。

下町ロケット/池井田潤



自身初の池井戸潤の小説であり池井戸潤としても出世作の作品。いわゆる企業小説にはまるキッカケにもなった。勧善懲悪が特徴的でありスカッとする。筆者の日本の町工場への愛が垣間見え、手に汗握るストーリーが展開される。仕事に対する夢に対し邁進する佃にやや嫉妬もありつつ、難題に挑戦し続ける彼等に励まされるように読み進めた。

家族八景/筒井康隆


家政婦として様々な家庭で働く七瀬を通して、人間が本質的に抱えている闇を浮き彫りにした巨匠筒井康隆の短編集。著者の作品すべてに共通して言えることだが、非常に読みやすくしっかりまとまっているので軽く読みたい人にもおすすめ。他人の家庭を覗いているような感覚になる。

下町ロケット/池井田潤博士の愛した数式/小川洋子


第1回の本屋大賞受賞作品。記憶障害を持つ64歳の「博士」と主人公の「私」を通して、他社への思いやりの大切さ、愛情の尊さ、人生の素晴らしさをストレートに投げかける静かで温かい物語。読み終わった後読者を少し前向きな気持ちにさせてくれる。